『…り!百合!』


「わっ!なぁに?」


いつのまにかに授業が終わっていたみたいで


ボーッとしていたみたい


『もう授業終わったよ?』


話しかけてきたのは同じクラスの女子で普通の女子の渡部 真弥


でも俺が男だってことは知らない


いや、いまの関係を壊したくないだけで言ってもいい……のに…言えないんだ…


だからきっと俺は自分以外の人を信用も信頼もしていない



だからきっと真弥にも作り笑いをしている


そして俺はお弁当を持って1人で屋上へ向かった


この学校に来てから一度も友達と食べたことがない


この学校は私立で俺の女装を知っているのは理事長と校長、学園長だけ


だからその人達は俺を見るとみんな驚いた目を向ける


気にしないで作り笑顔を向けるけどね


そんな事を思いながら屋上の扉を開けた


いつもなら気づくはずの真弥の存在を忘れながら______