キーンコーンカーンコーン

あ、チャイムだ


きっといまから女の子に


恋バナしよー!


っていうことを言われるんだろうな


そう思いながら窓の外を見る


俺は外で遊びたい


でも女の子らしく見えない


だから我慢


そして予想どうり


女の子が


『ねー!百合!恋バナしよ!』


ほらこの通り


女子ってなんで恋バナ好きなんだろう?


そーいう回路でもあんのかな


でも女の子らしく


「そうだね、いま行くね」


作り笑いを浮かべながら言う


言葉使いも女の子らしくなんだけど


女の子の方が言葉使い悪いと思う……


失礼だから言わないけどね


そう思いながら話したくもない恋バナを聞く


『えー!そうなのー!?』

『いがーい!』

『え?てかやばくね!?』



……うるさいなぁ


俺はまた窓に目を向けた


「いいな」


校庭でバスケやサッカーをする男子達を見てそうつぶやいてしまった


つぶやいてすぐに後悔した


女子はすぐに人のことを知りたくなるんだということを思いながら


で、結局

『なにが!?』

『まさか百合も恋?』

『百合も七瀬のこと好きなの!?』


ごめん……なんの話をしていたかすらわかんない


とりあえず


「違うよ、私も好きな人欲しいなぁ。
と思ってね」


もちろん嘘


でも好きな人はできたことがない


そんな事を考える暇もなかったから


『なんだぁ!』

『てか百合が恋したことなくてよかったぁ!』

『うんうん!』


は?


「なんで?」


気になりすぎて口が勝手に動いた


そうすると


『だってぇー!ね!』

『百合が相手だと叶わないもん!』

『うん!だって百合、この学校で1番と言っていいほど可愛いし!』

『百合の事を好きな男子だっていっぱいいるよぉ〜!』


…嬉しくないんだけど


しかも男が1番可愛い学校って……女子がすごいブスみたいだな


好かれるのは嫌いだけどどうせ好かれるんだったら女の方がマシだよ……


そんな事を話しているとチャイムが鳴った



キーンコーンカーンコーン


チャイムが鳴ると同時にみんな席に着いた


はぁ男の子は勘弁だな


そう思いながら授業を聞いていた