―カラーズ島 中心部―


吟遊詩人の少女──アリアは10歳の時から旅して6年間で分かった事があった。




この世界には人を思いやれる人とそうでない人の二種類の人間がいるということ。




彼女が出会った人達の90%は明らかに後者の方だった。




道端で人が倒れていても見て見ぬふりをする。そんな人達ばかり。




誰かがアリア自身を見てくれるとしたらそれは歌っている時だけだろう。