―数分前―



1人の少女が倒れていた。
春の17時の路地裏は建物に挟まれているため薄暗く、人気が少ない。




薔薇のように赤くて綺麗、が特徴の髪の毛はボサボサで、ライトブルーの瞳は霞んでしまっている。




『助けてあげたいが面倒事に巻き込まれたくない。』という気持ちの現れだろうか、たまに通る人は顔を顰めて、複雑そうな顔で通り過ぎていく。




だが少女にとってこのような状況は珍しくない。