「ふーん。寝込み襲うならもっとバレないようにしろよ。」

「っな！違うってば！！」

「はいはい。」

彼は大きく欠伸をした後立ち上がってフェンスの方に向かって歩く。

私も彼の後に続いてフェンスに向かう。

「うわぁ！すごいキレー！」

フェンスに身を乗りだして叫んだ。

私達の街がオレンジ色の夕焼けで綺麗に染まっている。

いつも見ているものとは違う景色。

はじめて見る景色。

いつもは大きく見えているものが今ではこんにも小さい。

何もかもが全部私の手のひらの中におさまってしまう。

なんだろう…。

この景色をずっと眺めていると、どこか 心の中で消えてしまいそうな自分がいた。