すっきりと晴れた空から雨が降り注ぐ。 雨の日は嫌いじゃない。晴れていたら聞こえる色んな雑音を雨が遮って、静かになる。 だから、日下部陽向という名前が僕を指すことが、昔から不思議でしかなかった。 家まであと半分の目印である古びた公園はいつでも人気(ひとけ)がないが、今日は人がいた。 雨に濡れたブランコに、僕と同い年くらいの女の子が座っている。 グレーのパーカーにデニムのジーンズ。そして黒のハイカットスニーカー。 そんな地味な服装なのに、何故か僕は見入ってしまっていた。