「ちょうど柊に聞きたいことがあったんだよね」

 ポテトをくわえながらベンチに腰掛けると、隣に柊も座ってビールのプルタブを引っ張った。

「それって面倒くさいことだろ?」

「そんなことないよ。柊先生だったら簡単!楽々なことだから!ただ凡人のあたしとしては難しいかなってだけで…」

 ちょっと眉根をよせた柊が、ビールをよこす。あたしにも飲めということらしい。こちらもポテトをすすめながら話の糸口を探していた。とはいえどうしたってうまく言える訳がないので、そのまんま伝える。

「やっぱりですね、彼氏を作ってリア充になるには合コンも経験しておかなければいけないってことで……」

「なに、いつやんの?どこで?」

 ひとくちで酔がまわったのか目が座ってて怖い。考えてみたらそんなに柊と飲んだってなかったな。お正月に新年の挨拶に来て、みんなでお正月番組を見ながらお節つまんだり、お父さんの相手をしてくれてお酒飲むとこくらいしかなかった。