「彼氏は募集中です。自分が変わらないとそんな御縁もありませんから」

「やっと……やっとなんですよ!幸がこんなこと言うの」

 瞳をうるうるさせながら祐希が答える。同期の祐希は化粧っ気もなく彼氏を作る気がなかったあたしのことを本当に心配してくれた。人になんて言われたところで、自分で変えようと思わなければ、なにも変わらない。

 それはあの日、残業した日に気がついた。そのきっかけとなった理沙ちゃんにも今は感謝したいくらい。

 やっぱり優しいのだ。人の対応が。自分を大切に扱っていないと、やっぱり粗末に扱われる。道を譲ってくれたり、挨拶したときににこっと笑ってくれたり、そんな小さなことかもしれないけれど、これからもいくらだって変われるんだという自信は持てる。

「いい人がいたら紹介してくださいね。蘇我先輩」

 性格まで変わったあたしを豆鉄砲をくらったような顔で見られる。