神様っ!!

「美容院は特別な場所だからね。女の子を綺麗にする魔法をかけてくれる所だから」

ドライヤーを止めた柊は、やる気を漲らせて鋏を握る。

「幸の髪は艶があって綺麗だから、カットしたら表情が映えるよ」

少しづつ髪を切りながら、柊が楽しそうに話す。

なんだろう。知り合いだからなのか、話かけられても苦痛じゃない。いつもなら何を話したらいいのか、沈黙が嫌で余計なことまで話してしまうのに、そんなこともない。

シャキシャキと正確な、規則正しい鋏の音。

「ある程度カットしたら、色を入れてくから、カラー剤を合わせてくるね」