神様っ!!

「さあ? 名刺いっぱい貰うから」

悪い顔をした男がいる。モテてて、遊んでて、こんなの慣れっこみたいだった。

「もうっつれないんだから! 柊のひまな時でいいから、遊びにいこー」

「はいはい。俺、忙しいよ」

さりげなく細い白い手を取って、椅子から立ち上がるのをエスコートしている。その姿がまるでお姫様と王子様みたいでドキッとする。お似合いすぎて。

「またね、柊」

「はい。またのご来店お待ちしております」

目の前をモデルのようにヒールの踵を鳴らして通り過ぎていく。ふんわりといい香りまでさせて。