コーディネーター柊の選んだ服なので、キラキラしたお店にも、なんとか入れた。

自分が選んだ服だったら、ここに来れる自信がない。

なんで美容師さんは、みんながみんな可愛いし、格好いいんだろう……

あまり人に見られたくなくて、最後にしてと言ったけれど、柊は前のお客様の応対に追われていた。

それでも受付で私の声がしたのがわかったのか、鏡越しに視線が合う。ほんのすこし…目が弧を描いて口角が上がる。

営業スマイルだとしても、機嫌のよさそうな柊を見てほっとする。


「今日は巻いたので、仕上げにスプレーしておきますね」