「ありがとう。早く治ったん麻衣子のおかげ。」

「大したことしてないよ。」

「いろいろ看病してくれたやん、お粥作ったりちょこちょこ見に来てくれたりさ。俺愛されとんなーって思ったもん。」


ストレートな発言に、いつもの拓馬だ、と安心する反面、寝起きにこの威力は強すぎる、とも思う。


「目玉焼き焦げるよ。」

「なんやねん、病みあがりやのに冷たいな。」

「これが普通だもん。」

「そっかー、優しくしてもらうにはまた風邪ひかないとあかんのかー。」


楽しげな拓馬はまた一段とぎゅっと強く私を抱きしめる。広い肩が硬い腕の筋肉が、きつく密着するのは、起き抜けには刺激がありすぎて。


「ほんとに焦げる。」


肩を押して身体を離そうとしたら、その手を取られて、再びのキス。