三つの影はやがて大きくなり、影の主も明らかになる。


「せいっ!」


大きな槌を持って、空操禁書から少しずれたところに振り落とした。勢いがありすぎてぶれてしまったのだろう。
しかし空操禁書の足を巻き込んだその槌は、動きを止めるのに役立った。


槌をすぐには退かせず、地面に張り付けられた空操禁書はすぐに他の攻撃を受ける。


「これで終わりよ!」


矢を放ち、光を纏った矢は空操禁書の腕に命中する。
空操禁書は顔を歪め、その痛みに気を取られたようだ。


すかさず接近した女の子は本に斬り込む。
本はすっぱりと切れ、紙は無残に舞い落ちた。


空操禁書の体にも同じような傷が入り、そこから光が漏れ出る。
呻き声をあげると、傷口から細かい六角形に変化し、散らばって崩壊した。


「やった!一体討伐!」


槌を振り上げて右上を見ると、もう一つの空操禁書は撤退しようとしていた。


「逃すか!」


体制を立て直し、槌を持って追いかける。
比較的高いところにいた弓の子を先頭に、剣の子、槌の子と続く。


しかし空操禁書の逃げ足は速く、弓の子すら追いつけなかった。