仄矢を先頭に、一列になって走る。
その時、雲の隙間から黒いものが降ってきた。


とっさにバリアを張り、落ちてきそうなところを駆け抜ける。
振り返ると、ナイフが地面に深く刺さっていた。


危なかった……。


「陣形を変更します!桃子さんを囲むかたちにしてください!」


仄矢が皆に声をかけた。
後ろから数えて二番目だった私は少し前に出る。


バリアの形も、縦長から通常の円に変形した。
ナイフが刺さろうとしても、力を失ったように滑り落ちていく。
陣形を変え、バリアもそれに合わせる間に誰も怪我をしなかった。


よかった……でも、まだ安心できない。


林が近付いてきた。
攻撃も激しくなってくる。


「きゃっ!」


衝撃が白旗を持つ手に伝わってきた。見ると、バリアにヒビが入った!


私はバリアの強度を上げ、修復した。
バリアを激しく打ち付けるのは、白い宝石だった。先が尖っていて、強度を上げたバリアにもヒビを入れる。


修復してもすぐに入るのでキリがない。
ピキッ、ピキッ。もう少しでヒビ同士が繋がってしまいそうだ。