「俺に従え。俺と契約しろ。」
どうして半殺しにされながらその契約内容に頷けるだろうか?
契約していつ殺されるかと怯えながら従えというのか?
「返事は?」
嫌だ!絶対に嫌だ!!
そう思った瞬間に自分の姿を変えていた
醜い姿はわざと作り出したものに過ぎない
本来の姿に…と思ったところで魔力が封じられていたことに気づいて自分の馬鹿さ加減に絶望する
そして僕を未だに見下し、いつでも殺せる状況に追いやりながら嗤う人間に心底ゾッとした
なんなんだなんなんだなんなんだ!
どうして僕が死にそうになるんだ
どうして僕の魔力がたかが人間に封じられるんだ
どうして僕はこんなにも畏怖の感情を持っているんだ
「今日は一体なんなんだ!お前はなんなんだ!!」
思わず叫んでいた
声を振り絞って苦痛に歪んだ視界で捉えたのは変わらず口元に弧を描く真っ白な男の姿
そしてゆったりと落とされる響きに息を飲んだ
