「グアァァッアアアァァアッ!!!」


緩急をつけてズンッ、ズンッと重力の重みがのしかかってくる

思わぬ襲撃と苦しみにされるがままなんて初めてだった

しかも人間に対して

この魔力量はなんなんだ

重力を操っているとしたら相当な魔力を使っているはず

伴って召喚魔法まで継続しているのに真っ白な男は平気な顔で僕から悲鳴を引き出して嗤う

段々と歪んだ笑みを浮かべて、心底楽しそうにククッと喉奥を鳴らす声色にはゾッとした

どっちが悪魔だ


「や、やめ…ッツッ!!!」

「何?聞こえない」

「やめ…グアァァッ!!」

「醜い声だ。ほら、懇願して?俺に服従させてくれって」


じゃなきゃ殺すよ?と特別口調や声色に変化もなく落としてくる人間

意味がわからなかった

僕はこんなに弱かったか?

いいや。そんなはずはない

そう思って自分の魔力を揺らめかせ、反撃しようとするのに


「俺に逆らうな」


言葉と共に落とされる重力の塊に集中力は分散され、苦痛に声だけが上がり、魔力を封じられてしまう

なんなんだこいつは

本当に人間か?

そして僕は七つの大罪で間違いないよな?

自分の存在価値にすら疑問を持ってしまうほど信じられないことだった