私は、漫画のような家庭環境で育った。


仕事ができて高収入。有名なブランド物のスーツを着て、有名な車にも乗ってる父。
でも、家に帰ってくることは滅多になくて、いつも香りのきつい香水を見に纏っていた。

母は、家事はほとんどしよう人に任せていて、自分では何もしない。お父さんが帰ってきたときくらい。近所付き合いも無いも同然で、その子供の私は、いつも疎まれていた。
お母さんもお父さんと同じように、別に好きは人がいるみたいだった。


そんな二人でもやっぱり世間体を気にするのか、わざわざ家族3人で歩いて食事に出かけたりした。明らかに周りの人たちに見せつけるのが目的だった。

でも、それでもよかった。

二人は、そうやって出かける時だけは、私を見てくれし、話も聞いてくれた。
普段から、食事は全部使用人さんが用意してくれるし、そうじもしてくれるから、不自由なんて一つもなかったから。



そんないつも通りの毎日が、一変した。