「汜に質問してもいいですか。」
私はずっと聞きたいことがあった。
「はい。いいですよ。」
銀色の髪の毛がさらっと私の肩に落ちた。
リンの顔が椅子に座っている私の肩の上に近くにあった。
「ではお聞きしますが、私になにをお望みですか。何もなければ、私を世界に解き放っていただきたく…。」
私は質問と同時に望みを伝えた。
「君は質問だけだと言ったのにね。まあいい。僕が君に望むことなど一つしかないよ…。

君の母親を殺した奴への復讐。

これが汜の、否、僕の、望みさ。」

汜は、私に、質問の答えと私への望みを、述べた。しかし、十の私にとってその望みはあまりにも残酷なものだった。

「だから、黝をまだ世界に放つことはできないよ。過程を踏んでからじゃないと…では、私も質問しよう。なぜ解き放って欲しかったんだ。」
私は戸惑っていた。まず、一つにこの人のいう過程とはなんなのか、二つにこの人の疑問に答える質用があるのか。