「あー、もうそんな話はいいから、運ぶよ。」
そう言って私の持っていたゴミ袋を軽々と持ち上げて、ゴミ捨て場に向かってあるきだす先輩。
私はそんな先輩を慌てて追っかける。
半袖のカッターシャツから出ている筋肉の筋張った先輩の腕が見える。かっこいいなぁ。…って私何考えてんるのっ!
「、ひな先輩待たしちゃっていいんですか?」
隣を歩く凛としている横顔を見つめる。
「いいの、可愛い後輩が困ってんだもん。」
それだけ言って、片方の空いている手で私の頭をぽんぽんとする。
「っ、」
こんなことされたらどう頑張ったって先輩のこと諦められない。好きが大きくなるだけじゃん。
分かってる、これが佐田先輩のみんなへに接するときの平等な優しさで、ひな先輩にはそれ以上に優しいことも。でもこの優しさで私は十分心満たされてしまう。
佐田先輩がひな先輩の事好きでも、やっぱり私は先輩が好き。



