「いえ、大丈夫です!ありがとうございます。」
「女の子なんだからこんな大きいの持てないでしょ?」
「持てますよ!」
「現に引きずって歩いてたじゃん。」
「それはっ。でも先輩の勉強の邪魔はしたくありません!」
すると先輩の表情が少し曇ったのが分かった。
「あ~、いや、今勉強教えてるから俺自身は勉強してないから大丈夫だよ。」
少し赤くなる先輩の顔。
それだけで全てを察してしまう私の鋭さが今は憎い。
「もしかしてひな先輩と、ですか?」
「…あー、まあ。本当に静香ちゃんは鋭いね。」
確かに私も鋭いけど、佐田先輩だって分り易すぎる。
ぎゅっと痛む胸。



