「重っ、」
クラスの一日分のゴミを袋につめて、校舎裏のゴミ捨て場に持っていかないといけないんだけど、それが凄く重い。
一日でこんなにもゴミが出るなんてすごい。
重たすぎて持ちきれなくて、ゴミ袋を引きずりながら廊下を歩く。あんまり引きずると破れちゃうから気をつけないと。
「静香ちゃん。」
不意に呼ばれた声に顔をあげる。
「佐田先輩っ」
男子トイレから出てきた佐田先輩。テスト期間だから、部活はないはずなのにどうしているんだろ?
残って勉強でもしてるのかな?
相変わらずキラキラした笑顔。
「一緒に運ぼうか?」
先輩は私の引きずっているゴミ袋を指差す。
よくよく考えると、こんな汗だくな状況で佐田先輩と遭遇なんてしたくなかったのに。



