片想い【完】






「静香ちゃんのことが好き。お人好しで泣き虫な静香ちゃんが。」





「え、」






「だから知りたい静香ちゃんの好きな人。」






何故か溢れだす涙、震える手足、聞こえなくなる周りの声、瞬きすら忘れ、身体が宙に浮いてるような感覚。





「…先、輩が好、きです。…佐田、先輩が、好きですっ」





すると先輩は嬉しそうな顔をする。




「好きです。先輩っ」





「あ~もう分かった。可愛いから何回も言わないで。」




そう言って震える私の手を包み込む。