「あの、これ間違えて、えっとまたちゃんとCD貸すんで、許して下さいっ」
涙目になりながらそう訴える。
「こんな間接的な告白みたいなこと、ちゃんと好きな人にやらないとダメだよ?」
目の前には先輩の悲しいそうな顔。
…どうしてひな先輩が好きなのにそんな顔するの。そんなことするの。思わせぶりにもほどがあるよ。
「すみません。」
「…静香ちゃんの好きな人って誰?」
こんなの言えるわけがない。
「…、」
「俺だったらいいなって凄く思う。」
先輩のその言葉に一瞬で頭がフリーズする。
「この曲聞いてたら静香ちゃんのこと頭から離れなくなってた。」
こんなことってあるのだろうか。



