止まることない涙を拭いながら私はそこらへんにあったベンチに座る。
「ぅ、っ…」
あー、もう止まってよ涙。
「あ、いた。」
俯いていた顔を上げるとそこには佐田先輩。
…さっきまでギャル軍団の子達と話してたのに。
ニコッと笑って私の隣に座る。ぎしってベンチが撓る音がして、ベンチが小さいせいか異常に距離が近い。
香ってくる先輩の柔軟剤の優しい香り。
「なんで、」
「だって、静香ちゃん教室で様子おかしかったからさ。心配で。」
ニコって、笑うその笑顔が凄くずるい。そんな言葉ずるい期待させないでよ。
「…静香ちゃん今日は俺の目見てくれないし。」
そう言って俯く私に視線を合わせようとするものだから慌てて視線をそらす。
…困らせちゃう、嫌われちゃう。



