「へ〜あんた佐田先輩の事好きなんだ?」
また違う子にそう言われる。
気がつけば私の周りにはメイクの濃い、怖い女の子達が集まっている。
私は何も言えなくて黙り込む。
「そんな地味なくせに佐田先輩のこと好きないわ〜。身の程を知れよって感じ」
その言葉が心に刺さる。
そうだよね、分かってる、分かってるよ。
「ちょ、ちょっと、そこまで言わなくても…」
「そうだよ、中寄さんさすがに可哀想だよ」
黙ってみていたクラスの子が何も言わない私を見てられなくなったのか次々と止めに入ってくれる。
その優しさでなのか、ギャルたちの言葉のせいなのか、私の頬からは涙がこぼれた。



