先輩は相変わらずにこにこしている。
どうもこう周りから注目されている中だったら意識しすぎて恥ずかしすぎて、先輩の目すら見れない。
「どうぞ。」
「ありがと。できるだけすぐ返すね。」
「いえ、全然いつでも大丈夫です。」
会話したのはそれだけだったけど、今日は顔を見て話せなかったけどそれでもうれしくてしかたがなかった。
「なんで中寄さんと佐田先輩が?」
「え〜、ショック〜」
「なんでこんな地味な中寄さんと〜?」
先輩が教室をあとにしたから、聞こえてくる現実の声。
「中寄さん佐田先輩と仲よかったんだ?」
威圧するような目で話しかけられる。
「ぜ、全然仲良くなんてないよっ」



