片想い【完】




家に帰って、ベッドの上で寝転がって目を閉じれば先輩の笑顔が浮かんでくる。


…私重症だなぁ。



なんで夜になると先輩のことばっかり考えてしまうんだろう。




先輩に恋してから毎日景色が輝いて、でもその反面毎日心だって痛い。




どこにいても、誰といても、何してても先輩のことが頭から離れない。思いを伝えたいけど見えている答えに立ち向かう勇気がない。




ーーピロンッ




スマホが鳴り、画面を確認する。




「…っ」



その送り主は佐田先輩。



『こんばんは。


DejavuのCDなんだけど、明日放課後静香ちゃんの教室に取りに行くから貸してくれない?』




特に絵文字も無く、淡々としている文章。




それだけでも、心踊る私。





『了解です!』



ニヤニヤしながらそう返信した。