「っまぁね、……静香ちゃんは好きな人いるの?」
この質問はひな先輩の話題から話をそらすため。
そうわかっていても好きな人が目の前にいて、好きな人からそんな質問をされれば動揺してしまう。
「そんな動揺するってことはいるんだね?」
くすっと笑う先輩。
「…はい」
こんなの素直に答えるしか無い。
「誰ー?俺の知ってる人?」
あなたですよ。
私に好きな人がいるって知って嫉妬してくれたりしないかな。…何考えてんだ私。
「それは言えません。」
「えー、静香ちゃん俺の好きな人は知ってるのに。ずるい。」
そんなの先輩が分かりやすいから私が当ててしまっただけの話だ。
「またいつか教えますよ。いつか。」
いつか、いつになるかわかりませんけど。



