片想い【完】




その次の日の放課後先輩に会った。



でも声はかけられなかった。







学校の靴箱の前で、楽しそうに仲良く話す二人の姿。






いつも通り可愛くてキラキラしてるひな先輩の笑顔と、爽やかに微笑んでいる佐田先輩の笑顔。







分かってたけど、どうしてもショックで、泣きそうになって唇をかみしめた。






佐田先輩がひな先輩を好きになる気持ちも十分分かる。凄く可愛いもんひな先輩。







だけど、どうしても苦しい。







私がいつも佐田先輩を見ていても、佐田先輩が見ているのは私じゃない。







ぼーっとしている間に二人は学校を出て行って、二人並んで同じ方向に帰っていった。







先輩の家の方向は私と一緒だったはずだから正反対なのに。やっぱり好きな人とはできるだけ長く一緒にいたいよね。




ひな先輩と一緒にいる佐田先輩は私とバンドの話をしているときよりはるかに輝いて見えて、やっぱり好きな人には勝てないと思い知らされる。