努力に恋をする




 今から3年前。

 あたしが中学2年の時の話。


 『りょうくん!一緒に帰ろう!!!』

 『沙織!おう!!帰ろうぜー!』

 『あ!!立川!!!
  またさおを独り占めしやがって!!』

 『お、山見!!
  ちげーよ、今日は沙織からの誘い♪』

 『ゔぅーーー!!!
  さおーー!!明日は一緒に帰って!』

 『わ、わかった!!優!!』

 『絶対?』

 『絶対絶対!!』

 『わかった。じゃ、明日ね。』

 『うん!!また明日!!』


 ータッタッタッ バフッー


 『りょうくん、おまたせ!』

 そう言って彼に腕をまわす。


 『毎度毎度これだと
  どっちが彼氏かわかんねぇな。』


 ちょっと口を尖らして言うその表情が
 愛おしくて愛おしくてたまらない。


 『何言ってんの!!
  あたしの彼氏はりょうくん!!』


 その言葉を待っていたからの様に
 満面の笑みであたしに頷きかえす。



 彼は立川 涼(タチカワ リョウ)
 あたしの"元彼"で
 今も忘れることなんて出来ない

 あたしの、今は亡き

 、、、、、、、、、、最愛の人。




 そんな毎日が楽しくて楽しくて
 仕方なかった。
 ずっとずっと続くと思ってた。

 一瞬で全てが崩れるなんて。


 思ってもみなかった。