努力に恋をする



 あー、クッソ。
 泣きたくないのに涙が出てくる。

 俺はいつからこんな弱くなったんや。



 3年付き合ってた彼女にフラれた。
 本気で好きやったし
 これからもずっとって思ってた。
 別れて欲しいって言われたとき
 何を言われたか全然わからんかった。



 何があっても学校は行く。
 別に特別何かある訳でもねぇけど
 新しいクラスは面白い。


 『おはよ、圭介』

 『おう、蓮おはよ』


 圭介は俺の事。
 俺の名前は 尾方 圭介(オガタ ケイスケ)
 神壱高校2年、割とモテる方だと思う。
 趣味はバスケ。小1から続けてる。


 蓮ってのは友達。
 フルネームは柏木 蓮(カシワギレン)
 幼馴染。コイツはチャラい。
 でも彼女は作らない主義らしい。
 俺の目に狂いがなかったら
 コイツは山見優が好きだ。


 『あれ?圭介、目腫れてるんちゃう?』

 『あー、フラれた。泣いた。』

 『え!?由紀ちゃんにフラれたん?笑
  イケメンもフラれる事あるんやな〜笑』

 『お前は慰めるってゆう脳はないん?』

 『ねぇよ笑
  イケメンなんだからその辺大丈夫だろ。』

 『何が大丈夫なんだよ、くっそ』

 『お〜こわ。イケメンが台無しや。』


 ーガラガラー



 『よーし。みんな席に着けー。』



 『げっ!また武士男〜。』

 『、、、、』

 『大丈夫!大丈夫!』

 『大丈夫じゃないぞー。山見ー。
  全部丸聞こえだー。
  とりあえず山見は学級長なー。
  号令しろー。』


 『えぇーーーー!!!!
  武士男〜!それはあんまりだ!!!』


 ーハハハハハハハー


 さすが山見。アイツは面白い。
 でも心の底から笑えねぇ。くっそ。


 ん?あの山見と一緒にいるの誰だっけ。


 あ、、山部沙織だ。
 美人と気づいていない美人で有名なヤツ。


 なんで、、、

 なんでアイツが、、

 そんな心配そうな顔して俺を見てんだよ。


 山部とは喋った事もないし
 挨拶すら交わした事なんかねぇ。


 フラれたなんて山部が知るはずもない。




 この日から俺は山部沙織を
 目で追うようになった。