次の日。
いつものように登校する。
『おはよう、優。』
『おっはよーう!さお!!』
『朝から元気やねぇ〜。』
『あったりめーよう!!』
大袈裟にグットサインを突き出す
優を見て、笑う。
ーガラガラー
『よーし、席つけー。』
『今日の日本史は一旦置いといて
班ごとに遠足の
観光ルートシートを作ってもらう』
『『『はーーい。』』』
『班ごとに席つけー。』
あー。最悪。昨日の今日なのに。
『お!さお!
早速、王子様と会話できるやん!』
いつもより控えめの声で
あたしに言ってくる、優。
『誰、王子様。どこにいるの。』
『やっだな〜尾方やん!』
『え?』
『まぁまぁ、とりあえず楽しも!!』
ルンルンしている優の背中を眺める。
『、、おはよ、沙織ちゃん。』
『え、、あ!お、おはよう。』
もう〜〜、優が王子様とか言うから
変に意識しちゃうやん。バカ優。
優をチラッとみる。
『やまみん!!おーっす!!』
『柏木!おーっす!!』
『柏木はやめろや〜』
『んじゃ〜、、、蓮!!』
『うっ。よ、よし!!それあり!!』
『よし、決定〜!!』
あれ。優って柏木くんの事、、、。
『あいつ、山見の事好きやで。』
耳に息がかかる距離。
いやいや、そんなことより。
そうなんだ、、だとすると、、、
『もしかすると、、優も好きかも。』
そう耳打ちで返す。
『まじで!?』
うん。と頷き返す。
そして2人で
柏木くんと優を見つめる。
『『、、、お似合い。』』
横から同じ言葉が聞こえて
びっくりして声のした方を見る。
相手もびっくりしてこっちを見てる。
それがなんだかくすぐったくて
2人で笑い合う。
『協力してやるか!!』
『そうやね!!』
そう言い合ってまた笑う。
『お!なになに!!圭介たち!!
もう観光ルート決めてるんか?』
『こら、さおー、おいてくなー!!』
『いや!違う!!全然決めてない!』
『お前らうるさい。似た者同士が。』
『『『ははははは』』』
なんだかんだいって
意外とまとまりのある気がする4人。
みんなでワイワイしながら
観光ルートシートも完璧に出来た!
ふふふ。楽しみだなぁ。
『楽しみなん?』
『うん!楽しみ!尾方くんは?』
『、、、、、』
『あれ?楽しみじゃない?
あ!あれ却下されたから!?
今なら!今ならまだ変更できる!!
ちょ、ちょ、ちょっとまってて!』
立ち上がろうとした。
その時。
『違う!!』
『え?違うの?なんだ、、良かった〜』
『、、名前。
初めて呼ばれてびっくりした。』
そう言った彼を見ると
、、、頬が赤く染まっている。
『覚えてくれたんやな。』
『当たり前。同じ班やし。』
『同じ班、、か。』
そう言って
少し悲しげな目になったかと思うと
フニャっと顔を緩ませて
満面の笑みで
『嬉しい。』
そう言った。
あーー。
なんでこのタイミングと距離の時に
そんな笑顔をあたしに向けるの。
胸がざわつく。
似てるからなのか。
そんな笑顔をあたしに向けてくれた。
あたしの元彼。
あたしの最愛の人。
『、、りょ、、う、くん』
ハッとした時には
そう言ってしまった後だった。
『、、、誰?』
冷たい目で見つめられて
体が凍ったように動かない。
『、、え。、、、あ。、えと。』
『保健室でも寝言で呼んでた。』
『、、え、、うそ。』
『嘘じゃねぇ。』
『、、、、、』
何も言えなってうつむく。
尾方くんにりょうくんを
重ねてしまったのは事実。
でもその事実を
知られてはいけない気がして
どう言い訳をしていいかもわかんない。
『そんな顔すんなって。』
そして頭をポンッと叩かれる。
顔をあげると
そこには
何も言わなくていい。と
言っているかのように
あたしを見て微笑んでいる尾方くん。
安心した。
いつか、、、
いつになるかわからないけど、、
尾方くんには
、、、自分から打ち明けたい。
そう思った。
『ごめん。ありがとう。』
『いや、俺も悪りぃ。』
その後の授業はいつもと変わらず
また4人でワイワイした。
ルート決めから遠足までは
少し日があいていて
その間に4人でいる事が増えた。
柏木くんが優に話かける。
2人が夢中で話をしているところを
少し離れて見ている。
すると隣に尾方くんがくる。
尾方くんと話をしてると
柏木くんがちょっかいかけに来て
ついでに優も沙織をとるな!
とかなんとか言いながら来て
結果4人が集まる。
そうして、1週間が過ぎ。
明日は、、、遠足。
