出会いは、、最悪。この一言に尽きる。



 春一番の風が吹いて
 心地よい空気があたしの横をすぎる。
 季節は春。新しいクラスの始まり。


 あたしは神壱高校2年 山部 沙織(ヤマベサオリ)

 特に変わったところのない普通の女子高生。
 趣味はダンス。小1からずっと習ってる。





 『さぁーおぉーーーーー!!!!!』

 『うるさいなぁ、優。』

 『さお!!!またクラス一緒だよ!!!
  運命かな!!これはもう運命だよね!!
  席も前後なんだよ!!!最高!!!』


 このうるさいのは 山見 優(ヤマミ ユウ)

 性格はあたしと真反対に近い。
 明るくて可愛いムードメーカー。
 優の周りはいつも笑顔で溢れてる。
 そうゆうとこ、本当尊敬する。




 『知ってるよ、優。さっき見た。
  今年で何年目だっけ?』

 『小3からだから、、、えっと、、
  、、、、、、、9年目!!!』

 『計算おっそ。
  それでよくここに受かったよね。』

 『さお、ひっどい!!
  これでも学年2位なんだからね!!』

 『それだけはいつも信じらんないわ。』

 『またサラッとひどい!!』



 そんな他愛ない会話をしながら
 新しい担任の先生を待つ。



 ーガラガラー



 『よーし。みんな席に着けー。』



 『げっ!また武士男〜。』

 『優、聞こえるよ。』

 『大丈夫!大丈夫!』


 あ、武士男ってゆうのは
 日本史の先生で特に武士の話になると
 口が止まらなくなるから
 優が命名した名前。


 『大丈夫じゃないぞー。山見ー。
  全部丸聞こえだー。
  とりあえず山見は学級長なー。
  号令しろー。』


 『えぇーーーー!!!!
  武士男〜!それはあんまりだ!!!』


 ーハハハハハハハー


 本当優は凄い。
 またみんなを笑顔にしてる。
 クラス全員が笑ってる。クラス全員が、、、


 全員じゃ、、ない?




 窓側の後ろから2番目の席。

 初めて見る顔。
 顔は笑ってる。笑ってるけど、、、






 目が、、、  笑ってない。





 初めて見る人やし
 こんなの思うのもおかしいとは思う。

 でもそう感じる。


 『ま、そうゆう変わった人もおるか。』

 『ん?なんか言った?さお』

 『なんでもない!』


 そんなこんなで
 あたしは彼の存在を一瞬で忘れた。

 彼が自分を見てるなんて気付かずに。