ぎゅーっと抱きつくと香る豹くんの香水の匂い。それに包まれていると幸せな気持ちになる。


でも気分的にはどん底を低空飛行しててそれどころじゃないというか…いや、やっぱりちょびっと幸せかも。



「桜」


「うん?」


「クリスマスのプレゼント欲しいか?」


「えっ、くれるの?!ってあああっ!!」



バッといきなり立ち上がるわたしを豹くんは少し驚いたような顔で見ていて。でも今はそれどころじゃない。


どうしよう!今更のように気づいたけど豹くんのクリスマスプレゼント用意するの忘れてた!!


料理を作ってあげようってそればかり考えてたらすっかりすっぽりと頭から抜け落ちてた……


この世の終わりのような顔をするわたしの手を引っ張り再びわたしは豹くんの膝の上に。



「ごめんなさい……」



料理だけじゃなくてプレゼントまでも失敗するなんて……


素直に謝ると豹くんは特に気にした様子もなくわたしの手を取って何かを確かめるように触れてくる。



「豹くん、怒ってる?」


「いや、お前は何かすると思ってた」


「うっ、」



それって褒めてないよね…でも今までのわたしのことを振り返ればそう言われるのも仕方ないと思う。自分でもそう思うぐらいには失敗ばかりだし。