「運気が上がる?」
二人は首を傾げる。
「完結するってことですよ!」
目を見開いてそう叫んだ優乃は、とても必死そうだった。
スーパーの特売日に人生を賭けている主婦のように。
「あたし達、作者の流行りに乗りたい願望から、壁ドンとかいう意味不明なものをテーマに作られて、でも更新進まなくなって、挙げ句の果てに非公開にされてしまったんですよ!!」
わーん!!と、優乃は机に突っ伏して泣いてしまった。
すると、それを聞いていたマミコが、勢い良く立ち上がる。
「何を!作者が非公開にするってことは、作品のストーリー性を真剣に考えてる証拠でしょ!あたし達の中では、あんたらが一番早く完結するって風の噂で流れてるんだからね!クソ野郎っ!」
「だね。俺らは結構な古株でさ。3周年とか言ってるけど、マジで俺ら3年くらい放置されてるんだぜ?ほとんど更新ないし。もはや見捨てられてる。俺ら、作者になんて呼ばれてるか知ってるか?“永遠に完結しない青春”だぜ?」
「うおーー!聞きたくねえ!!」
忠哉の言葉に耳を塞ぐとも。
「ワン!ワンワンワン!!」
「あれ?ポメ太郎が鳴いてる」
「ああ、僕なら何言ってるか分かるぞ」
「ちょ、サイコさん!あなた犬の言葉分かるんすか!?サイコパスすげえ……」