ラズベリーな恋模様(A・T)




玲汰先生もこちらを向き、いつも通り無表情のまま、あたしを見つめる。

だけど、あたしには分かる。
玲汰先生の瞳が、ほんの少し優しいことが。



見つめ合うあたし達二人の間に、眩しい光が差し込む。

あたしは目に涙を浮かべながら、微笑んだ。



「……う、ん…。する。絶対する!」


あたしは大きく頷く。

瞬間、涙が零れ落ちた。



「…じゃあ、それ貸して」


玲汰先生はそう言うと、あたしの手から指輪を取って、それをあたしの左薬指にはめた。

あたしはそれを持ち上げ、光に照らす。


キラキラと光る指輪がとても綺麗で、また泣きそうになった。