だからそれはとても衝撃的な発言で、あたしはつい、
「玲汰先生にも、結婚願望とかあるんだ?」
と、少し失礼な物言いで聞いてしまった。
だからか、玲汰先生も少し眉を顰め、
「は?あるよ、それなりには。千夏は?いつかしたいなーとか、思わないの?」
「えっ、あたし?あたしは……」
今までそんなこと、考えたこともなかった。
憧れ、はある。
けれど、そんなのは、遠い未来、遠い世界の話で。
あたしは結局、結婚したいのかなあ。
改めて考えてみたら、そんなに難しい話ではないことに気付く。
「……したい、かな。やっぱり」
あたしも、いつか結婚したい。
だけど、それには条件がある。
“相手が玲汰先生であること”。


