「……行くか、千夏」
玲汰先生があたしの顔を見て、そう言う。
「えっ?うん。行く」
あたし達は散策ルートを外れて、教会へと向かった。
「わあ、綺麗……」
思わず、言葉が漏れる。
教会の中に入ると、ドラマや漫画で見るような景色が広がっていた。
木で出来た椅子や、ガラス張りの窓。
結婚式で新郎新婦が愛を誓い合う階段と、神父がいる場所。
とても、綺麗だった。
あたし達は、自然と奥へと進んでいく。
そして、あたしは階段を一段上った所で立ち止まった。
窓から差し込む木漏れ日が、とても幻想的で美しい。
こんな所で永遠の愛を誓い合えたら、どれだけ幸せだろう。


