その言葉に少し驚いたけれど、透の真剣な瞳に、あたしは前髪の少し横の髪の毛を掬い、そこにピン留めを付けた。


「…どう?」
「うん、すげぇ可愛い」
「なっ///」

あたしが顔を熱くさせると、透は意地悪に笑った。



「今度は、どこに行こうか」
「今度?うーんとね……あっ、児童養護施設!」
「…なんでだよ」
「だって、また遊びに行くねって約束しちゃったんだもん」
「いや、それとこれとは別だろ。俺、もうあいつらの相手すんの嫌なんだけど。疲れる」
「えー、楽しんでたくせに」
「愛想笑いだよ、愛想笑い」
「ふふっ、何それ」




ねえ、透。


今度は、どこに行く?
その次は、どこに行く?

君と一緒なら、どこだって楽しくて、どこだって幸せな気がするよ。

初デートなんかじゃなくても、君といる時間は、いつだって大切な思い出だよ。



ねえ、透。


これからも、ずっとよろしくね。





【30差の片想い】