「はい、どうぞー」
「ありがとうございまーす!」
海の家の、若くて綺麗な女の店員さんからかき氷を貰い、あたしは透の所へ駆け寄る。
「うわ、グロテスクな色」
「なっ!?今から食べるっていうのに」
「てか、それ何味?」
「ん?ラズベリー味!」
透は、まずそう、と呟いた。
確かに、色は暗い赤で、少し紫がかっているけれど、ラズベリーのシロップとか見たことないし、美味しそうだと思う。
「そういう透は、何買ったの?」
「えっ、普通に焼き鳥だけど」
「うわ、つまんない」
あたしなりの、精一杯の仕返しをした。
……効果はなさそうだけど。
透とあたしは近くに転がっていた丸太に腰掛ける。
透は、手に持っているビニル袋から焼き鳥を取り出し、一口食べた。
焼き鳥の良い香りが鼻をくすぐる。
いいな、なんて思ってしまった。
「あー、いいなあ!」