ラズベリーな恋模様(A・T)





「えっ?」

あたしは、止められたことに、瑠梨と呼ばれたことに驚いて、目をパチクリさせながら岡崎くんを見た。


「おい、お前っ……!」

渉くんも、岡崎くんの行動に驚き、慌ててこちらに戻ってきた。


「ルリちゃんから手を離せ!」

そう言って、渉くんは手を振り解こうとするが、岡崎くんはそれをひょいと避けて、あたしを自分に引き付ける。


「へっ?へっ?」

何が何だか分からなくて、あたしは驚き固まるしかない。



「てめぇっ……」

渉くんの怒りはMAXで、岡崎くんに突っかかるが、岡崎くんは不敵な笑みを浮かべるだけ。



この意味不明な状況に、段々とクラス中があたし達に注目し出す。


「お、岡崎くん……?」

あたしは岡崎くんを見上げるが、岡崎くんは渉くんを見つめていた。



「お前、どういうつもりだよ。ルリちゃんに触るな!」
「ルリちゃん……ね」