ブスも歩けばイケメンに当たる⁉

「…いや、あの」
「…飯が出来るまでにさっさと入ってくる」

「…は、はい。了解しました」

私の言葉に、ぷっと笑い、また、キッチンで、何やらリズミカルな包丁の音が聞こえ始めた。

「…いいんだろうか?こんなことがあって」

身体中洗い終えた私は、湯船に浸かって、ポツリと呟く。

「…彼女さんに、バレたら、なんだか恐ろしくてたまらない」

そう呟くと、恐くなり、急いで上がった。

…いい匂い。

…今夜はカレーだな。

なんて、呑気に考えながら、 部屋に戻ると、テーブルの上には、カレーとサラダが用意されていた。

…ちゃっかり二人分。

「…ほら、そんなとこ突っ立ってないで、そこに座る」
「…は、はい」

「…なにしてんだよ、さっさと食べろよ」
「…ぇ、あ、はい、いただきます」

手を合わせてそう言うと、カレーを一口。

「…やばっ…激ウマです」

一体何を入れたのか?カレー屋さんのカレーみたいだ。

「…そ?まぁ、遠慮せずどんどん食べな」

そう言うと、榊さんも食べ始めた。

あまりの旨さに、直ぐに食べ終わってしまった。

「…おかわりは?」
「…いえ、お腹一杯です」

「…ん」

私の言葉を聞き終わると、スッと立ち上がった榊さんは、そそくさと片付けを始める。

「…あの、片付けは、私が」
「…怪我人は動くな、茶でも飲んでろ」

温かいお茶を入れると、榊さんは、食器をもって、キッチンに消えた。