苦笑いを浮かべながら、卵焼きをパクついて、停止。

…絶対!榊さんには、知られてはいけない秘密事項!

トップシークレット!!!

「…なにぼんやりしてんだよ?早く食べて出ないと、遅刻するぞ」

「…」

「…おい、桜子!」
「…ひゃい!!」

私の変な返事に片眉を上げ、榊さんは首をかしげ。

「…可笑しなヤツだな」

と、言い、朝食をペロリと平らげると、片付けを始める。

私も慌ててご飯を食べる。

「…ゴホッ!ゴホッ!」
「…わっ、バカ!慌てすぎだ」

榊さんにコーヒーを差し出され、詰まったものを流し込み、何とか生還。

…なにやってんだ、私。

そんな情けない自分と葛藤しつつ、ご飯を食べ終わると、皿をキッチンに運ぶ。

「…先に、出かける支度してこい。俺は、すぐ出来るから」

「…はぃ、ありがとうございます」

シュンとした顔で呟けば、榊さんは、私の頭をくしゃくしゃと、撫でた。

「…可愛い顔が、台無し」
「…///!!」

その顔で、その台詞は、禁止ですよ、榊さん。

真っ赤な顔を隠すように、私はキッチンを飛び出した。

「…おい、走るな!転ぶぞって!!」

…お約束。

パチン。

一緒に転けた。でも、榊さんがクッションになってくれたお陰で、無傷。…でもない。

「…なんで、おでこ叩くんですか!」
「…叩きやすいところにあったから」

憎まれ口は、今日も全開…グスン。