ブスも歩けばイケメンに当たる⁉

私は慌ててそっぽを向き、小声で言った。

「…か、からかわないでくださいよ」

恥ずかしさを紛らわすように、おかずを頬張った。

榊さんはクスクス笑いながら、今度は卵焼きを取ると、

「…伊集院さんは、一々反応がカワイイナ」

か、かかか、カワイイナ?!

からかいすぎにも程がある‼

「…榊さん?」

怒った顔をして見せれば、榊さんは、やっぱり笑っていた。

…食事を済ませると、榊さんはそそくさと帰っていった為、経理部の誰とも会うことはなく、ホッと溜め息をついたのは、言うまでもない。

昼からの仕事も集中してやることができた。

…昼食に、榊さんが和ませてくれたお陰かな、なんて。

…黙々と、作業をしたお陰もあり、定時に仕事を終わらせ、帰宅。

この足で、移動するのは、何かと不便だ。

いつものソファーに座り、一息つく。

どっと疲れが出たのか、そのまま眠ってしまって、目が覚めたときには、真っ暗になっていた。

携帯で時間を見れば、7時を少し過ぎた頃。

部屋の電気をつけ、立ち上がる。

その時丁度、インターホン。

私はゆっくり玄関に向かい鍵を開け、ドアを開けた。

「…」

驚きすぎて、声も出ず。

「…お邪魔します」

そう言ったのは、ボストンバッグを持った榊さんだった。


…てか、なんで、ボストンバッグ????