ブスも歩けばイケメンに当たる⁉

…昼食は、外にもランチにいけないし、食堂に行くのもおっくうで、お弁当を作ってきた。

みんな、オフィスを出ていき、一人きりのランチ。

元々、いつも一人だけど、隣のビルの会社に勤める唯一の友人と、時間が合えば、ランチをすることもある。

でも、この足では無理だ。

「…いただきます」

一人呟き、食べ始めて間もなく、私の真後ろで人の気配。

誰もいないはずなのに…今は昼だ。…お化けなんて。

私は、恐る恐る振り返る。

「…!!」
「…やっぱり一人か」

…まさかの、榊春人の登場。

私は目をぱちくりさせる。

そんな私を無視して、横のデスクに腰掛ける。

コンビニで買ってきたサンドイッチと、コーヒー。

「…何で?」
「…ん?一人で食べたかったから」

「…いやいやいや、私がここにいますが」
「…あ、そ?まぁいいじゃん」

そう言うと、食べ始めてしまった。

「…お昼、それだけですか?」
「…ん?そうだな。お腹一杯食べると、眠くなるから」

何て言いながら笑っている。

でも、それでは腹五分目にもならないだろうに。

私は自分のお弁当箱を差し出す。

「…好きなおかずどれでもどうぞ」
「…え、いいのか?」

榊さんの言葉に、頷くと!嬉しそうな顔で好きなおかずをつまんで食べた。

「…美味いな、手作り?」
「…一応」

「…料理が上手い女の子はいいよな」
「…?!」

思いがけない言葉に、ぼっと、顔が赤くなった。

それを見た榊さんは、フッと笑った。