ブスも歩けばイケメンに当たる⁉

「…でも」
「…そうだ。こうしよう。これは、先輩命令」

…先輩、命令?!

「…四六時中、ずっと伊集院さんの面倒は、見れない。仕事中は勿論無理だし。それに、今日は定時にあがったけど、毎日そう出来るとは限らない。企画の方が、そろそろ大詰めだしな」

「…だから、そんなに無理しないてくださいよ。私なんかのために」

「…また言ったな」
「…え」

榊さんが、不機嫌な顔に。うー、なんで?

「…私なんかって言う言葉、俺の前では絶対禁止!!次言ったら、ただじゃおかないからな」

…だから、その顔怖いって。

「…榊さんて…噂と全然違いますよね」

そう言って、溜め息をつく。

「…噂?」
「…誰にでも愛想が良いって」

「…噂は噂。こっちが、本当の俺。覚えといて」

…ニコッと笑われてもなぁ。

「…じゃ、おれ、そろそろ帰るわ。明日も来るから」
「…榊さん!もういいって…!!」

手で、口を塞がれた。

「…男に二言はない」
「…モゴモゴ!」

しばらく口を塞がれたまま。

「…ハァ!…ハァ!…苦し」
「…じゃあ、また明日」

「…え、あ、ちょ!」

パタン。

無情にも、玄関は閉ざされた。

榊さんて、超マイペース…

私は、ガックリ肩を落とした。

…私の平穏な日常が。