…お茶をすすりながら、ふと思う。
怒りっぽくて、言葉遣いが悪い。何でもズバズバものを言う。でも、本当は、凄く面倒見のいい榊さん。
会社での愛想が良いのは、作り物で、こっちの榊さんが、本物の榊さんなんじゃないかって。
そう思うと、なんだか嬉しくもなる。
誰も知らない榊さんを、私だけが知ってるという優越感…
待てよ…
彼女さんは、こんな榊さんなんて、飽きるほど見てるかも。
「…終わり」
考え中に突然そんな声が聞こえたかと思うと、私の隣のソファーが沈む。
…やっぱり慣れないなあ。この、至近距離。
「…色々ありがとうございました。本当に至れり尽くせりで」
「…別に、あ、携帯貸して」
「…携帯ですか?…はい、どうぞ」
突然そんなことを言われ、なんの考えもなしに携帯を渡すと、榊さんはちょちょっと、操作をすると、携帯を返された。
「…あの?」
「…俺の連絡先登録しといたから」
「…ぇ…あの、本当にこの足が治るまで、こんなこと続けるつもりですか?」
「…当たり前」
…やっぱり、それは、彼女さんによくない。
「…いや、あの、本当にもう、こんなことまでしていただかなくても、一人でも大丈夫なので、結構です」
私の言葉に、榊さんは溜め息をついた。
「…伊集院さんは、甘えベタなんだな。遠慮せず、こんな時は、甘えればいい」
…榊さんの言葉は正しい。
長女の私は、誰かに甘える事を知らずに育った。だから、甘えかたなんて知らない。
怒りっぽくて、言葉遣いが悪い。何でもズバズバものを言う。でも、本当は、凄く面倒見のいい榊さん。
会社での愛想が良いのは、作り物で、こっちの榊さんが、本物の榊さんなんじゃないかって。
そう思うと、なんだか嬉しくもなる。
誰も知らない榊さんを、私だけが知ってるという優越感…
待てよ…
彼女さんは、こんな榊さんなんて、飽きるほど見てるかも。
「…終わり」
考え中に突然そんな声が聞こえたかと思うと、私の隣のソファーが沈む。
…やっぱり慣れないなあ。この、至近距離。
「…色々ありがとうございました。本当に至れり尽くせりで」
「…別に、あ、携帯貸して」
「…携帯ですか?…はい、どうぞ」
突然そんなことを言われ、なんの考えもなしに携帯を渡すと、榊さんはちょちょっと、操作をすると、携帯を返された。
「…あの?」
「…俺の連絡先登録しといたから」
「…ぇ…あの、本当にこの足が治るまで、こんなこと続けるつもりですか?」
「…当たり前」
…やっぱり、それは、彼女さんによくない。
「…いや、あの、本当にもう、こんなことまでしていただかなくても、一人でも大丈夫なので、結構です」
私の言葉に、榊さんは溜め息をついた。
「…伊集院さんは、甘えベタなんだな。遠慮せず、こんな時は、甘えればいい」
…榊さんの言葉は正しい。
長女の私は、誰かに甘える事を知らずに育った。だから、甘えかたなんて知らない。

