「この向こうに、王子がいる。もとの世界に戻れる手がかりが見つかるといいな」

「あなたは、一緒に入らないの?」

「大事な客人だ。丁重に迎えたいそうだ。心配するな、俺ならドアの外にいつでもいる」

「ほんとに? 待っててくれる?」

「ああ、俺は嘘をつかない」


その言葉を信じて、少女は大きなドアを開き、中へと入っていきました。




「小さな旅人の行く先が、幸あらんことを祈ろう」