「わかった、約束する。もとの世界に戻ったときに、また会いたいと思う人がこの世界ではたくさんいるけれど、あなたにも会いにいくね」

「ああ、会いにきてもいいが、俺がいつまでもここにいるとは思うなよ」

「そうね、けれどこの国がある限りは、あなたはずっとここにいるでしょ」

「そうだな」

ハハっと声に出して笑う騎士につられて、少女も笑いました。
心の優しい強い騎士です。きっと彼がいる限りは、この国は栄え続けるでしょう。


「大広間で、王子がお待ちだ。行こうか」


大きな扉の向こうには、豪華な螺旋階段が出迎え、それを上ると長い廊下に出ました。
その廊下を歩いていくと、今度は立派な扉がありました。