そんな私をおいて時間は虚しく過ぎていった。
終電ぎりぎり退社で帰って寝て、起きてまた満員電車に揺られて会社行ってという毎日を繰り返していた。

正直何が楽しみで生きているのかはわからないけれど、ただ業務をこなす。
周りの人達が働いているから自分も働く。とりあえず働く。
生きるために働いているのか、働くために生きているのかそれさえもわからなくなってどうでもよくなった。

挫けそうなときもあった。
だけどそのときにおとぎ話はそっと現れて、私に寄り添う。

どこで聞いたかもわからないおとぎ話はいつの間にか私の心の支えとなっていた。

だから私は、目の前のことを一生懸命取り組んだ。

待ってて。
必ずあなたが誰なのかを思い出すから。


手がかりもない、もしかしたらただの私の思い過ごしかもしれない。

けれど、こんなにも心に引っかかるのならなにかあるはずだ。